iPhone水没させる

出産まであと1ヶ月を切ったクリスマスの前の日私はiPhoneをトイレに落としてしまった。


トイレに落とす人結構いるみたいだし、その時はタオルで拭いたらどうにかなるかなんで甘く考えて居た。


普段やらないのに、私は電話をしながら娘をトイレに連れて行った。まだ一人で座れない彼女を便座に乗せた時に耳と肩に挟んだ携帯をぽちゃん!


私は躊躇せず携帯を引き上げたが

そのあとはなぜか不思議に落ち着いて居た。

タオルで拭いて、カバーを外す。

でもここで電話の声が聞こえなくなり画面が真っ黒になる。ホームボタンを押すも反応なし。


まだポタポタ水が出てくるから念入りに拭きながら、母に言うと、ドライヤーいいらしいよと。ドライヤーをかける。

つかないなぁー。

振ってみるとイヤフォンジャックあたりから水が出てくるから、出なくなるまで振ってみた。娘のメルちゃんをお風呂に入れると目や接合部から体内に水が入る、それや、髪の毛の水をなるべくきるために振り回す。その要領で。ラーメンの湯切りみたい、なんてのんきに。


それでもつかないと少しインターネットで検索をかけてみる。

iPhone 水没 

ん?

やってはいけないこと。

ドライヤーをかける

振る

電源を入れる


どのページにも書いてあること汗

全部やってしまった。

ここでだんだん焦ってきた。

あれ?これってまずいんじゃ。


Apple Storeに電話するもなかなか繋がらない。もうインターネットで見つけた水没直しますのところに電話してみた。すると、水没は早ければ早いほど治る可能性が高いと。

その時夜の7時半をまわっていた。

8時までに持ってきてくれれば、と言われ慌てて母に車を出してもらうも、途中でエーユーによる。

水没したことを話すとまずApple Storeに行くように言われる。

私はなぜかそこで急にApple Storeに行かなければならない気がして行き先を変えてしまった。

Apple Storeに着くとすぐにSIMカードを抜き、アップルI.D.を聞かれる。iCloudに残っていればそれを新しいiPhoneに入れれば即解決とのこと。もう8時過ぎて店も暗くなる中iCloudに問い合わせるも、私は何か登録ミスで、iCloudを開けない。フリーメールをもう一つ作って明日出直すように言われてその日は帰る。

でもアップルでは水没は修理せず交換と言われた。私は自分の選択ミスに気がつく。

バックアップどころかiCloudの空き容量もないまま2年間使い続けてていたから、データなんて残ってない。悔やまれるのは娘の写真が残らないこと。交換回収されたら永遠に手に戻ってこない、二年分の娘の写真。

震えた。

そうか、私はこのiPhoneを直さなきゃいけないんだ!と気がつく。なぜあの時方向を変えてApple Storeに行ったのか。裏目裏目の私の行動。

トボトボと帰りとにかくピアノ用のシリカゲルの入ったビニール袋にiPhoneを入れて眠る。朝もつかない。


不安で口数が少なくなる。

最悪前のiPhoneがあるから連絡先はわかるけど最近の幼稚園のママ友なんかは全滅。

インターネットを検索すればするほど怖いことが書いてある。

私は意を決してiPhone専門の修理業者をあたってみた。とにかく持ってきて、中を開けてみるとのこと。

まだ可能性はあるとのこと。私に残されたのはiPhoneを直すことだからとにかく藁にもすがる思いで持っていく。非正規のお店だし、小さいしって思ったけど背に腹はかえられぬ。聞くと一時間ほどで直るか直らないかわかるらしい。一時間、何かの宣告を待つ気持ち。今日はクリスマスイブ。クリスマスパーティーの予定があって私はケーキを調達していく手はずになってた。待つ間ケーキをさがす。キルフェボンが目に入ったけど、長蛇の列にげんなりして普通のサンタののったイチゴのケーキを買う。娘も楽しみにしているからとにかくパーティーに向かう。みんなでお料理をして、夜に食べる段取りだ。

着くと連絡が。

やはり直らないとのこと。背中がひんやりした。臨月に入る直前に何が起こってるんだ。頭から出産が飛び、電話のことで頭がいっぱいななった。


画面のバックライトが壊れていて

でもどうやら電源は入るのでもしかしたらデータは取り出せる可能性は残ってると言われ、即データだけでも回収してほしいと頼む。


ここから地獄だった。

パーティーは楽しかったけど、業者が年末年始の休みに入る。データが救出できるかどうかわかるのに2週間ほどかかる。

実につまらない正月だった。寝ても覚めても電話のことで頭がいっぱい。

でもこの事件で私はバックアップのことや、iCloudの意味、色んなことを学んだ気がする。

正月休みが終わろうと言う日、宣告を待つ私は母と話す。大事なのは写真。でも、昔はスマートフォンなんてなかった。写真だって日常に取るものでもなかった。だけどアルバムの中では子供は成長してく姿がわかる。

もしかしたら、スマートフォンの普及で写真自体を大事にしてなかったんだなって気がついた。日常をどんどん取ることでその大量のデータは価値も薄くなる。それよりも節目節目で撮った写真を紙に残すこと。電話番号やメモもそう。改めて紙の大事さを気がつく。その話をした後だんだんと心が静まり、諦めがついてきた。


怖かったけど、思い切って電話する。

データは取れたのか、

折り返すと言われてまた不安で胸が苦しくなる。私はあまり携帯に依存してないつもりだったけどこんなにも依存していたんだと気がつく。


折り返しの運命の電話


データ救出成功しました!

ホッとした、娘を抱きしめる。

トイレに落としてから私ずっと暗い顔してたみたい。気がつくと

オムツ外れていた娘は、私が携帯をトイレに落としたことを自分のせいだと思ったみたいでトイレに行きたいと言わずに、またオムツに戻ってしまった。

そうじゃないよと言い聞かせても、赤ちゃん返りも混じって今は無理強いさせないように。


データ救出の連絡をうけ、私はこの際機種変更した。少しでも防水に。


今日新しいiPhoneにデータが全て戻り

無事このバタバタは解決した。

18日間。振り回されたが今回学んだこと一つづつ、習慣化しよう、今年の目標がまた増えた。